ポルディ・ミルトナー

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Hastedt "Poldi Mildner am Klavier" - HT6603
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オーストリア出身のピアニスト、ポルディ・ミルトナーの、おそらく放送録音を集めてCD化したもの。このピアニストは、そもそも録音に積極的ではなかったこともあって、あまり録音が出回っていなかった。昨今ではMelo Classicsという歴史的音源の発掘系レーベルが復刻に成功している。そんなMelo ClassicsがCDを出す前にHastedtという音楽出版社がミルトナーのCDをリリースしていた。

HastedtのCDには、以下の曲が収録されている。

フランツ・リスト:ピアノ協奏曲No.1
フランツ・リスト(フェルッチョ・ブゾーニ):ラ・カンパネラ
●アドルフ・シュルツ=エヴラー:ヨハン・シュトラウス2世の《美しき青きドナウ》の主題によるアラベスク
ヨハン・シュトラウス2世(モーリッツ・ローゼンタール編):ウィーンの謝肉祭
フレデリック・ショパンエチュード, op.25-9
フレデリック・ショパンエチュード, op.25-12
●伝ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト:田園変奏曲
カール・マリア・フォン・ウェーバー:コンツェルトシュテュック

リストのピアノ協奏曲No.1とウェーバーのコンツェルトシュテュックは、アルトゥール・ローターの指揮するRIAS交響楽団との共演である。
ローターと共演している演目については、肝心のミルトナーのピアノがやや大人しめであった。
しかし、ラ・カンパネラからローゼンタール編までの作品では、ダイナミックさこそ欠けるものの、難度の高い超絶技巧をものともしない確実な弾きっぷり。ショパンから伝モーツァルトの作品までは、その慎ましい音楽性が作品のイメージに合致していて、美しい演奏に仕上がっている。